裏、麗、恨

 

私はエンタメが好きです。

 

なんて前置きから始める通り、今回はエンタメと自分、演者と自分、に対する価値観をここに一度書き記したくなったので、思いのままに書いてみます。

 

アーティスト、俳優、芸人、タレント、これらの人達のことを「表舞台に立つ人」と書くことがあります。「表舞台」という言葉の通り、この人達は準備してきた自分の「オモテ」を私たちに見せてくれます。アーティストなら楽曲・ライブ、俳優ならドラマ・映画、芸人ならネタ・トーク、これが彼ら・彼女らが見せてくれる、私たちが見られる「オモテ」です。

 

「オモテ」があれば「ウラ」があるのも必然です。テレビ、ラジオ、劇場、ライブハウス。これらの「オモテ」を伝えてくれる媒体から離れた演者の全てが「ウラ」です。私たちエンタメの受け手はこの「オモテ」だけ見ていればいいはずなのですが、時にやたら「ウラ」を見せてこようとする輩がいます。ラジオやトーク番組で自身の「ウラ」での一面を語ることは、その選択の時点で「オモテ」になるのですが、勝手に「オモテ」を強引にめくり上げて受け手に「ウラ」を見せつけてくる第三者の存在に私たちは度々出会います。芸能人のゴシップを報じる週刊誌。アイドル業界について語りたがる元アイドル。決して名もソースも明かさずにペラペラ喋る"某関係者"。なかなか避けては通れない人達です。

 

私はこの人達が嫌いです。この人達の情報をウキウキで受け取ってここぞとばかりに叩く人達も嫌いです。どうして「ウラ」を知る必要がありましょうか。どうして「ウラ」を見せつける必要がありましょうか。どうして「ウラ」を批判する必要がありましょうか。

 

表舞台に立つ人達は「オモテ」を見せる仕事です。その「ウラ」にはやましいことの一つや二つあるかもしれません。数々の主演を張る俳優が二股をかけてるかもしれません。笑顔を振りまくアイドルがドロドロの恋愛をしてるかもしれません。だから何だと言うのでしょうか。「オモテ」での技術・力量を磨き私たちに見せてくれる演者を「オモテ」のみで評価することは、世間知らずで滑稽なことなのでしょうか。素直に「オモテ」100%で楽しむことは馬鹿のやることなのでしょうか。

 

俳優がどんなに荒んだ私生活を送っていようが、ドラマや映画において素晴らしい演技を見せてくれるなら関係ないでしょう。アイドルはファンタジーを提供するサービス業だと私は考えているので、アイドルが恋愛や不仲のうんぬんを見せないことに対して、ファンは見ないことで応えるべきでしょう。

 

「オモテ」を見せて楽しませてくれる人達の「ウラ」を詮索することは野暮、「オモテ」だけを見る素直さこそが美徳、という考えが大事にされても良いのではないでしょうか。知るべきでないことを知らないことが、無知として嘲笑されるような事態は私は嫌です。『見せてくれるものを見る』という価値観を私は大事にしたいですし、そう考える人が多ければ嬉しいです。

 

久しぶりに一気に文章を書いたので少し疲れましたが、ヤな絡まり方をしてた頭はスッキリしました。駄文を書くことは楽しいです。また書きます。